2023年10月に成都ワールドコンにご招待いただきました。十数年ぶりに中国に旅行するのでいろいろと調べることがあり、せっかくなのでここにまとめておきます。
中国ビザ取得情報はこちら。この情報は2023年10月24日時点のものです。中国に関して「絶対こう」ということはなにもないです。ある日、なにもかも突然変わる可能性があります。また以下の情報は、中国旅行準備段階のものです。実際に中国に行ってきてからより正確な情報を追加します。
日本ではネットで旅先のほとんどの情報をGoogle検索すれば事前に得られますが、中国についてはそうとは限りません(中国語ができればまた事情は少し違うかもしれませんが)。Googleでは見つけにくい情報でもBaiduで中国語を使って検索すると見つかることもあります(天府空港でのATMの場所など)。
スマートフォン
スマートフォンは2台持っていって正解でした。決済、地図、乗換案内などあらゆる場面でスマホが必要です(そのためモバイル・バッテリーも必須。私は大と小を持ち歩いていました)。単に予備としても役立ちますが、アプリやウェブサイトなど中国語でしか情報がないことがあります。その場合、1台でその画面を表示して、もう1台でGoogle翻訳のカメラ翻訳をすることができます(1台だけでもスクリーンショットして翻訳できないことはない)。
中国用アプリにはSMS認証が求められるものが多くあります。メインのほうを中国用SIMに入れ替えると使えなくなることもあるかもしれません。1台のスマホをルーターとして使い、もう1台をテザリング(個人ホットスポット)で接続すれば後者のSIMはそのままで使えるはずです(この方法ではできないこともあります)。
ただスマホを持ち込めるのは2台まででそれ以上持っていくと没収されるという話もあります。
SIM
中国ではGoogle、LINE、Facebook、Twitterなどのサービスは原則として使えません(現地SIM、ホテルなどの公衆無線LANなどでは)。Amazonなどで販売されている大中華SIMカードなどではこれらのサービスが使えるようです。テザリングもできました。なお日本のSIMを使って海外でSMS送信すると、1通100円だったりすることもあります。ホテルの無線LANではホテルのWiFiでは西側サービスが使えないので結局ほとんどテザリングしました。そういう事態も想定して十分な通信量を準備したほうがよさそうです。7日間の滞在ですが12GBのSIMを準備しました。テザリングをしても3.7GB残っており、日数と通信料はこの割合でちょうどよかったです。なお、このカードでは通信料補充もできます。
中国のアプリ
WeChat(LINE的な位置づけ)は、機種変更するときに苦労しました。新しいスマホで使うときにログインできない場合は、アプリのキャッシュとデータを一度クリアするとうまくできました。中国ではメールの返信が非常に遅いかまったくないことがありますが、WeChatではすぐに返信が来ます。おそらく迷惑メールが非常に多いうえにGmailのような優れたフィルターがないのでメールをあまり使っていないのではないかと推測しています。
WeChatの「近くにいる人」機能は標準で有効です。この機能は文字通り近くにいるWeChatユーザーまでの距離が表示されます。正確な位置は分かりませんが。訪問先の会場では便利かもしれませんが、必要ないときはWeChatの設定でオフにしたほうがよいでしょう(特に実名を表示している場合)。その場合、WeChatの位置情報(GPSなど)の権限もオフにしたほうがよいでしょう。実際、この機能は近くにいるフレンドを探す時に役には立ちませんでした。
さて私は滞在中にWeChatのアカウントをロックされてしまいました。これにはいくつか原因が考えられ、藤井さんに教えていただいたことによると(相手がWeChatに慣れていないので単に見逃している可能性を含めて)「グループチャットなどからフレンド承認を求めて放置される」というだけでもロックされる可能性があるそうです。フレンドは直接会ってからその場でしたほうがよさそうです。
Weibo(Twitter的な位置づけ)は閲覧するだけなら登録しなくても使用できます。アプリのUIも内容も中国語が基本です。私の場合、自分の電話番号とSMSでログインすると別人のアカウントが表示されてびっくりしました。ヘルプはすべて中国語です。
地図アプリの情報は不十分、不正確、そして古いです。特に新しい物件については、Google、Appleのいずれも地図情報が正確でなく、記載がないか場所がずれている可能性があります。たとえばワールドコン会場のそばにある菁蓉(チーロン)湖は、2023年10月5日時点でGoogleマップ上に衛星写真としてしか存在しません。またGoogleマップ、Apple地図アプリの両方ともオフライン地図が使えませんでした(使えたとしても古くて不正確なのであまり意味がありませんが)。
以前、百度には個人情報関連の問題があったので百度(Baidu)は使うのに抵抗があります。しかし、地図アプリの中では中国に関する情報は新しく、量は充実しています。ただし中国語なので前述の翻訳アプリが必要かもしれません。
現地の人からは高徳地図を勧められました。情報量が多かったです。またログインしなくてもお気に入りの場所を記録できます。
Gmailから中国のメールアドレスに送るとスパム判定されて届かない、あるいは遅延することがあります。詳細はまだ確認中ですがなまじうまくやり取りできることがあるので問題に気づくのが遅れました。Outlook、MSNなどMicrosoft系なら大丈夫のようです。
成都科学(SF)博物館
ワールドコン会場の成都科学(SF)博物館(成都科幻馆または成都科学(科幻)馆)には現時点で公式サイトが見つかりません。菁蓉湖をBaiduで検索すると付近を表示できます。
ホテル
成都天之府温德姆至尊豪廷大酒店(Wyndham Grand Plaza Royale Palace Chengdu)に宿泊予定です。2-300メートル離れた場所に创智公园という公園があり、この中に飲食店が複数入った小さなモールがあります。
航空会社(四川航空)
成都には四川航空で行くことになりました。四川航空に関する情報は英語や日本語ではかなり限定されています。荷物重量制限が明記されてないので問い合わせると国際線の機内持ち込みは5キロまで。荷物は2つまで預けられます。電子航空券の場合、ボーディング・パスを空港で受け取る形式のみで、ウェブでの事前座席指定はできないようです。四川航空では東京支店に電話すると座席指定できるという情報があります。しかし実際には電話を何度掛けても担当者は不在でした。
機材はAirbus A321で、シートに電源はないようです。USB電源供給はありそうですが飛行機に限らず、そもそも公共の場所のUSB電源はスマホなどでは使わないほうがよさそうです。多数の人が抜き差しして使うのでポートが変形している可能性もあります。
四川航空の口コミの情報をざっくりまとめると、CAは日本語も英語も話せない可能性がありますが、LCC並みの料金ながら料理は意外によい、という感想のようです。
成都天府国際空港
公式サイトがありますが日本からアクセスしているせいか開けません。ATMの時間について知りたかったのですが事前情報は極めて限られています。
こちらの情報によるとターミナル1にはないようです。「ターミナル2の農業銀行ATMは、4階出発階チェックインゲートEの左側にあります。工商銀行は現在、機械を更新中で、現金を引き出すことができません。ターミナル 1と 2は室内でつながっていて、歩いて数分で着きます。」
両替はターミナル1で24時間可能とありますが、実際には開いていない時間がありました。
支払い方法
支払い方法にはいくつかありますが、中国外でメジャーなVISA、Masterなどのクレジットカードは使えないこともあるようです。
中国ではQRコード決済が非常に普及しており、現金よりも一般的なようです。Alipayでは国内発行のクレジットカードが登録できます。そのためにはパスポート情報が必要です。(Alipayではツアーカードというミニアプリ(アプリ内からアクセスするアプリ)にチャージすることもできますが、そうするとむしろ手数料がかかるようです。)審査に数日かかることもあるようですが私の場合はすぐにできました。ただし小さい商店などの少額決済はクレジットカードとは個別の「残高」から送金扱いで行われるようです。現在は中国の銀行口座を持っている人しか「残高」にチャージできません。中国人に頼んで現金を渡し、送金してもらうことでチャージできます(この方法は行いましたが結局残高でしか払えない(送金しか使えない)状況はありませんでした)。Alipayはミニアプリで中国入国時に必要な健康状態申告もできます。ただ他の中国アプリについてもいえることですが、サイズが大きく電池消費も激しいので帰国後はアンインストールするつもりです。
Wiseは国際送金したり、各国の通貨を格安で相互に両替したりできるサービスです。ATMで現地通貨で引き出すことができました。ただし国際クレジットカード対応のATMは限られます。またWiseの仮想カードをAlipayに登録することができました。レート的にはWiseが最も良いはずです。また不要になった人民元は好きなタイミングで他の通貨に変換できます。
銀聯カードは三井住友銀行から無料で取得できます(2023年12月まで取得は一時停止)。買い物専用カードで人民元現金の引き出しはできません。これは使う機会が一度もありませんでした。
WeChat Payには中国国外のクレジット・カードが登録できるようになったはずなのですが、私が試した時はできませんでした。中国国内の銀行カードが必要と表示されます。Alipayで間に合いました(私は後でWeChatが使えなくなりましたし)。
ATM
「24小时自助银行」という名前で建物の中にあることが多いようです。この名前の場合は24時間使用できるはずですが実際には深夜は使えないこともあるようです。百度地図で「ATM」と検索すると探せます。ホテルの近くのATMは(中国発行の)銀聯カードしか使えないようでしたが、成都の中心部では国際クレジット・カードでキャッシングできるようでした。
実際には会場の近くに移動銀行車(!)が来ており、そこでWiseの口座から人民元現金を出せました。
シェアサイクル
シェアサイクルはもし使えるなら街を訪れるにはよい手段です。中国で一時期大流行していたようですが急速な事業拡大などで倒産した会社もあるようです。mobikeというサービスがありましたが別会社になりました。AlipayのHello Bikeも使えるようですが機会があれば試してみます。→時間がなくて試せず。
スーツケース
私は高校生の頃はバックパッカーでした。スーツケースを長時間ごろごろ転がすのに慣れないので、背中に背負うためのベルトを買いました。今回はホテルまで送迎があるのでベルトはいらなかったかもしれませんが。
できれば百均のスーツケース・カバーをかけてテープで止めるなどしたほうがよいです。スーツケースにはシールをじかに張られてそれがはがしにくく、また汚れます(シールのはがし残りは、素材にもよりますがアルコールなどである程度落とし、別のガムテープなどを粘着させると取れます)。私はカバーをかけてスーツケース・ベルトで固定していましたが、行きの飛行機でそれが外れてしまいました。
持ち物
除菌できるウェットティッシュは役立ちそうです。→実際には使いませんでしたがやはりあるとよさそう。
場所によってはトイレット・ペーパーの持ち歩きも必要のようです。→今回は必要はありませんでした。
飲料水は現地でボトルに入ったものを買う必要がありそう。→実際にはホテルや会場で水のボトルが配布されたのでほとんど買うことはありませんでした。
中国語
私の中国語は初心者レベルですが、「中国語しか情報がない」という状況がしばしばあり、少しの知識でも役立っていると感じます。もちろん翻訳アプリを使うのもありですが。Duolingoを毎日2レッスンやって、5つのコースを終えました。
名刺
今回は中国語と英語の共用の名刺を用意しました。中国人は名刺は使わずにWeChatで連絡先交換をするという情報もあります。メールは迷惑メールも多そうで連絡手段としては役に立たないかもしれません。非中国人用にメールアドレスも記載しましたが、WeChatのQRコードを載せることにしました。→これは実際に登録してくれました。ただし後でWeChatが使えなくなりましたが。
ガイドブック
『地球の歩き方 D06 成都 重慶 九寨溝 麗江 四川 雲南 貴州の自然と民族 2020-2021』が便利。成都そのものについてのページ数は30ページほどですが、中国旅行の基本をカバーしています。内容は少し古いものもありますが現時点ではこれが最新。Kindleのほうがお勧めですが紙の本ならガイドブックとさとられないようにブック・カバーが必要かも。