文系はもちろんですが、理系にも日本語力が必要です。
日本語力とは敬語や漢字のことではありません。
敬語や漢字がどうでもいい、というわけではないです。
しかし、実務文章でもっと大事なのは「分かりやすく明快で短いこと」。創作文章はまた別ですが。
難しい文書を難しく書くのはだれでもできます。
難しい文書を分かりやすく書くことは簡単ではなく、そのための訓練が必要です。
研究者なら論文を書く必要があります。技術者なら技術文書を書く必要があります。
どちらも読者を想定し、それに合わせて書くことが重要です。より具体的には、使う語彙を選ぶ、ということです。
また、専門分野が異なる読者を想定する場合は、明確な定義、順序だった説明、理解しやすいたとえなどが必要です。
ポイントの優先度、文章の構造を考え、字数制限内で書く訓練もすべきでしょう。
ライティングは、本来なら学校の「国語」でやるべきことですが、残念ながら十分にされているとはいえません。
文科省は、作文、ライティング、創作文芸といった科目の存在を認めてはおらず、科研費申請のキーワードにこれらは存在しません。
口頭表現力を磨くプレゼンテーションおよびスピーチ、論理を鍛えるディスカッションおよびディベートとともに、ライティングを中学から大学までもっと本格的にする必要があるのではないでしょうか。