世界初(?)のSF哲学カフェを日本SF大会 彩こんのゆうげんトーク企画(2019/7/28)でやります(まあ厳密に調べたわけじゃないんで、世界初が他にあれば教えてください)。
哲学カフェとは、様々なテーマでディスカッションする集まりのことです。もともとはフランスの哲学者マルク・ソーテが「ソクラテスのカフェ」として始めました。厳密な決まりがあるわけではなく、企画者によって運営の仕方も様々です。グループとして合意に達する必要はありません。哲学の知識は不要です。5、6人のグループに分かれて話し合うこともありますが、十数人が1つのグループとして話し合うこともあります。
なぜ「SF哲学カフェ」なのか? SFと哲学には、深い関係があります。『マトリックス』、『ブレードランナー』、『スター・ウォーズ』、『スター・トレック』など、優れたSF作品の根幹には、哲学的な問題提起があります。哲学カフェとSF+哲学についてはこちらの記事もどうぞ。
正直、SFの未来には不安を感じる。特に日本はSFの若い読者が少ない(私もたくさん読んだとは言えないが)。理由はいろいろあるけど、一つは学校でディスカッションをきちんとしなかったからだと思うんですよね。SFの基本テーマについて生で議論することで、SFへの関心を何人かには持ってもらえるんじゃないか、と考えたのです。
私のSF哲学カフェでは、今後以下のようなテーマで話し合うことを考えています。
- AIと人間
- AIは人類を幸せにできるか?
- 人間と区別がつかないAIを作るべきか?
- 人間と区別がつかないAIの人権は認めるべきか?
- 宗教と科学
- 宗教と科学はどのように協力できるか?
- 魂は存在するのか?
- 異星人と人間
- 上位の文明は下位の文明に干渉してはならないか?
- 人類が生き残るためには(他の星の)種族を滅ぼしても良いのか?
- 人間と未来
- 遺伝子を組み替えて人間を改良するのはよいことか?
- 人類の進歩は必要なのか?
- 人類の恒久平和は可能か?
- 「人類政府」は可能か?
- 人間は(地球上の)他の生命・種を犠牲にしても生き残る権利を持つのか?
- 人間という存在
- 人間は自由意志を持つのか?
- 人間という存在は善なのか悪なのか?
SF哲学カフェから何が得られるのか。「他人の見方」を知ることでしょう。自分が知らなかった、あるいは興味がなかった小説や映画に対する興味がわくかもしれません。
私のSF哲学カフェでは、以下のシンプルなルールを採用します。
- 異なる意見を尊重する。自分の考えを主張するだけでなく、他の人の意見から気づきを得ることが重要です。
- 自分の考えを自分の言葉で説明する。他人の引用だけでなく、自分がどう考えたかを説明しましょう。
- 参加者全員が理解できる、分かりやすい言葉で説明する。専門的な概念を使いたいときは必ず説明しましょう。
ひとまず2019年7月開催の日本SF大会 彩こんの、自作解説トークの一部として「ミニSF哲学カフェ」を実施します。90分の枠の中で20分くらいは意見交換に充てます。
予定のテーマは以下です(検討中)。
- 5人の命を救うために1人を殺してもよいか(古典的な路面電車(トロッコ)問題)?
- SFが若い世代に読まれるようにするにはどうしたらいいか?
- 小説がもっと売れるようにするにはどうしたらいいか?
この「ミニSF哲学カフェ」では、「初対面の人との意見交換には抵抗がある」という方のために、小グループに分かれず、希望者が発言するというスタイルにします。
このような試みに賛同いただける方、企業のご連絡をお待ちしています。