受肉の海――Incarnation

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神的能力を手に入れようとする生体AIの知性爆発を防ぐ究極の方法とは!?

 安海あすみ島に住む、漁師の息子、月城つきしろ浩希ひろきは、島にある宗上神社(一宮いちのみや)に幼少時から親しんでいた。祭神の海の女神タギツは、島を津波や災厄から守ってきたという。
 ある日、浩希は、海女として働く姉のマイアが潜水中に事故に遭ったと告げられる。
 姉の死には不審な点があり、インテリ・ヤクザの伊崎いざきとともに、真相を探る浩希。
 マイアの死が告げられた四日後、浩希と伊崎は、神社にスーツ姿の男たちが訪れるのを目撃する。男たちにかしずかれている巫女は、死んだはずの姉。後を追った浩希は、マイアが神楽を舞い奇怪な託宣をするのを目撃する。巨額企業買収の成否を告げたのである。
 浩希は、密かに漁船でマイアを連れ出す。マイアは、以前とは別人のようになり、予言の力を得ていた。
 三人は、島にある巨大企業ノクティの高度知性研究所で開催された内覧会に潜入し、真相を知る。
 かつて、AIを狙うエイドロン・ウイルスが世界中で蔓延した。AI禁止条約により研究開発も中止された。
 世界中からAIが消えて七年が経った。
 ノクティの研究所は、付近の海域を聖域として封鎖し、新たなAI――生体AIを密かに養殖していた。
 だが人間は、AIが人間を越えるのはともかく、神の領域に達することは決して許さない。
 研究所の副所長、槙野は、巧妙かつ非人間的な対抗策を発明した。

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